[覆面作家企画３「夏」/Aブロック編

◆覆面作家企画３より：「夏」（Aブロック）◆
今回のテーマは「空」。とりあえず全作品読破を目指します。
感想のみですが、普段の感想よりも辛口注意（←自分のことは棚上げ）。
自身はEブロック参加、本サイトへはこちらからー。
重大なネタバレは［］内に反転してありますので、マウスドラッグでお読み下さい。

現在→全56作品中、25作品読破（Aブロック…3/12制覇）

A-01　　ヤコブの梯子（千畝伝拾遺）
【感想】
歴史物なんだ……この辺の時代には詳しくないんで何とも言えませんが、父を思い出す息子の回顧録の中から一番面白い部分を引っ張ってきたような感じ。
ちなみに「ヤコブの梯子」は素で知らなかった。杉原千畝についてもほとんど知らなかった。
（今度、その辺に詳しい友人に聞いてみよう……orz）
固い文章だけど、それでも読みやすくしようと作者さんが心掛けているのがよくわかって、ありがたかった。
でも……過去→引用→過去、という流れがいきなり入ってくるのはわかりにくかったな。引用でこんなに長文引っ張ってこなくても、と言うかここまで説明しなくても良かったんじゃないかなぁとも思う。
凄くまとまりは良いし、締めも綺麗。上の余談はあくまでわがまま。

---

A-02　　『翼もつ者』
【感想】
三角関係ファンタジー。そう思ってました。
でも、実際はそんな生温いものじゃなくて、彼らの世界にはもっと血生臭い戦争の臭いがあった。
ラストのクレナイとハナダの間に流れる空気……いいなぁ。
翼が種付け（読んで字の如く）だったりする設定は、長編にも使えるんじゃないかっていうくらい素敵です。目に浮かぶような不思議さがある。
終盤のネタバレが駆け足で、説明的なのが気になった。
［それまではクレナイの感情が全然読めないのに、急に喋りだしちゃうからだろうか。
ミステリアスなだけっていうのもつまんないけど、うーん。ちょっとジレンマです；］

---

A-03　　君の名は
【感想】
火星ネタ二つ目。と言うか今回SF率高いですよね？
「ソラ」って名前の使い方に感激した！音階の意味だけじゃなくて、［太陽、そしてテーマに持っていくのが上手い。］
日本語っていいなーと思った瞬間でした。
ただ、話としては嫌いじゃないんだけど、原口とソラの会話に自然味が無い。
どなたかが感想で仰ってたような気もしますが、「海外SF小説の翻訳」な印象。台詞がどうしてだかぎこちない。
児童虐待とか家族間の問題とか広がった宇宙の関係性とか、考えさせられる部分を盛り込んでいる割にさらっと読める所はとても良かったです。

---

以下は順次。