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感想・批評・推薦ブログ。 良い作品に出会えた想いを込めて……。
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覆面作家企画3より:「夏」(Dブロック)◆
今回のテーマは「空」。とりあえず全作品読破を目指します。
推理らしい推理は無く、考察のみです。普段の感想よりも辛口注意(←自分のことは棚上げ)。
自身はEブロック参加、本サイトへはこちらからー。
重大なネタバレは[]内に反転してありますので、マウスドラッグでお読み下さい。

現在→全56作品中、22作品読破(Dブロック…11/11制覇)



Dブロックは、タイトルだけ見ると不思議なものが多いような。
お知り合いの方がさほどいる訳でも無いので、ほとんど殴り込み状態で行きます(笑)

D-01  いつか見える空
【感想】
SF、ですね。
これが現代からの繋がりを持った世界なのか全く別の世界なのか、(背景の説明があまり無いので)わかりにくい部分も多分にありましたが、雰囲気がとても好みです。
「空」というものが好かれない世界、っていう描き方は……初めて見たかも。
しかしそこには人間の過去の罪がある訳で、だからこそ(あらゆる罪を空に押し付けながらも)それが苦いんだろうなと感じました。
真実を(擬似的にとは言え)視覚で教える先生、強い人だなぁ。
確かに、スカイとカーレムならやってくれそうな気がする。迫り来る破滅の未来を打ち破ろうとするパワーを感じるラストには、胸が熱くなりました。
そのためにはまず勉強、ですけど(苦笑)

【考察】
文中でルビを使ってるけど、よく見たら、タイトルにもルビが振ってある……!
いきなり気になる所だな。メモメモ。
一概に「SF小説」と言ってもどこか「サイエンス・ファンタジー」の雰囲気があるので、ファンタジーを書くのが得意な方かな。
あとは若い世代の話を書くのが好きな方、とか。
ルビが最大のヒントになってくれるようにも思うんですが。どうだろう。



D-02  いつか出会うために。
【感想】
いつか、のタイトルが並んでる……偶然だけど。
女の子二人の正統派な友情物。迎えに来た、の時点で一瞬安心したのですが、そういう幕切れなんですね;
きっとヒューイの判断は正しいし、リンのつけた気持ちの整理も素晴らしいもの(=二人にとっては良い別れ方)だったんだろうけど、辛い。「それでも一緒にいよう」にはならないんだね。
現実的な判断あってこそ、空の下で二人が抱負を語るシーンが引き立ちます。
長編のクライマックスみたいな印象。今やそれだけ仲良くなった二人の出会いや何かが見られないのは、(短編だから仕方ないとは言え)ちょっと残念。
ちなみに「ヒューイ」って男の子っぽい名前だなーと思ってみたり。響きが好き。

【考察】
改行や空行が多い。短文つむぎ。「!?」「!!」では無く「!?」「!!」使用。
数字は全角。漢数字との併用。
文章作法で見ていけば、よほどの引っ掛けで無い限り案外すぐに該当者さんはわかりそう。



D-03  空色の
【感想】
空色の絵の具!綺麗なんだろうなぁ……欲しいです。
世界観はファンタジーか西洋もの。ミランが意外と自然に受け入れてる所からすると、前者定義のほうがいいのかな?
一個前の作品は女の子の友情物だったけど、これは男の子の友情物。素直になれない所が可愛い。
一番素敵なのは、あの不思議な機械と男のことを何も言わずに「俺にもおじさんがいたんだ」と返すミランの台詞。
別に隠そうとした訳じゃなくて、ただ照れ臭いから(仲直りのきっかけとなってくれた)絵の具の出所を内緒にしておきたいだけだったんでしょうね。

あとで振り返った時に「……あれ?」ってなるような思い出に変わっていくといいですね。

【考察】
最後の「- fin - 」が最大のヒントでしょうね。
敢えて残したとすれば、普段の書き方を崩さずに置いてある(見つけられること前提)ってことだろう。
あとは体言止めとか。



D-04  玉音
【感想】
空は傍観者である、という視点を中心に淡々と描かれた戦争の話。
なんですが……陰鬱とした雰囲気は感じたものの、最後の一押しになるエッセンスが無くて物足りないなと感じました。テーマの重さで物語の重要な部分が流れちゃってるというか、唐突な展開に戸惑ったというか。
総悟も「日本は負ける」って、いきなり言い出した感が拭えない。うーん;
あと(これは私にも正確なことが言えないんで蛇足ですが)、当時の日本ではあの戦争は「太平洋戦争」では無く「大東亜戦争」と呼ばれてたーと歴史の授業で習ったような。
敢えて避けたのか、ご存知無かったのか、あるいは私の記憶違いか(汗)
情景描写はとても丁寧だと思います。会話も軽妙。

【考察】
難解漢字が随所にある。三点リーダを文中でも使用。
「!?」では無く「!?」で表記。強調には「」を使っているようです。
普段から時代物を取り扱っている方では無いんだろう、とは思う。
「理央」の名前は、この時代ではそうある名前じゃ無いような……普段は現代物を書かれてるのかな?



D-05  ぼく、ボスです
【感想】
ごめんなさい、笑っちゃいました。あるあるーと思わせる敵役の苦労語りで始まり、ぐるぐると巡って意外なオチに辿り着く。
途中で伏線をちらつかせて謎が判明していくようなラストでは無い(少なくとも私にはわからなかった)ので、やや終盤に偏った説明に拍子抜けはするかも。
お茶を飲む「ぼく」にはうっかり癒されました。いやはや。
ハッカー少女がもっと絡んでくる所も見たかったなぁ。
同じ系統のSFはBブロックにもありましたが、こういう風に希望が見えるラストも面白いと思う。

『ボス』と言ってもラスボスでは無いことに泣かされます;

【考察】
「!?」では無く「?!」。全角な上に普通とは逆だ……。
伸ばす音(ー)をダッシュにしてるのはわざとかなぁ。長い音だからそう表現してるんだろうけど、サイトに事例があるだろうか。
三点リーダは基本の2回じゃなくて4回使用が多い。
結構特徴があるなと。



D-06  黄昏鉄道
【感想】
いきなり始まる、学園物ファンタジー……もしくは非日常な銀河鉄道ものかと思わせて、一気に落とされるのが凄く辛かった。
ホラーなんでしょうか?
いや、敢えてジャンルを付けるなら「ダークファンタジー」かも。
仲良し三人組がこの世と天国に分かれてしまう、という光景が生々しさも含みつつ描かれていて怖かったです。
「ケーキが食べたいと言ったのは、アイビスです」
この台詞に泣いた。ベルもレインも、きっと凄く良い友達だったんだろうな。
空想を作った当のアイビスだけが生き残るっていうのも、皮肉な気がする。というか仲良し=傍にいたと思われるのに、他の二人が燃える中何で彼女だけ助かったんだろう?
「まだ空想を作れる」=生きている(手遅れでは無い)ことの証明なんでしょうね;


【考察】
短文が多い。改行も他の方に比べると多い?
強調には“”使用。文章の切り方が詩的。三点リーダ多用。
雰囲気のある文章を書かれてるから、探そうと思えばあっさり探せるのかも……。



D-07  空に歌う
【感想】
……情景は綺麗なんだけど、話が読めない……。
神話的(むしろ神話そのもの)ですし、余韻を残すという意味ではそんなに読めなくてもいいのかもしれないけど。
何が言いたいのかが見えてこない。凄く凄く勿体無い。
表現の丁寧さとは逆に、話の根幹が呑まれちゃってる感じがしました;
正直「誰」を描いてるのかが私には判別がつかなくて、「木」を中心に据えた話なんだなーということしかわからない。読解力無いですごめんなさい。
世界観の構築の仕方はとても好み。もう少し説明が欲しかったな。

【考察】
長編ファンタジー書きさんだと思う。
まだ年齢の若い方か、比較的小説を書き始めて日の浅い方かな。
詩をメインに活動してます、とか言われたらその人だと指摘出来そうな気がする……かも。
繰り返しの表現が多い。色の表現に富んでいる。



D-08  アルビレオ
【感想】
えーと、[これって夢オチなの?
ぽかーんとしてしまいました。どなたかが言ってたかもしれませんが、このブロックの作品ってそういう展開に持っていく方が多いですよね。
テーマのせいもあるのかな?
アルビレオに振り回される光太くんが微笑ましい。終盤での台詞にも重なってきますが、本当息が合ってるなぁと思う。
個人的に一番気になったのは、何でアルビレオのカラーリングが日本的な色合いを持ってたのかってこと。
最終的にはいつの間にやら白銀の髪・金の瞳になってたので余計に気になる。
この点については説明無かったですよね……そもそも、話の雰囲気が日本っぽくないんだよなぁ。
と考えると、この話の前半の授業風景も嘘?あれ?

後になって混乱してくるのは、作者の狙いでしょうか。

【考察】
男の子に「お姫様のように」っていう表現を使う所から、美形を主役に据えることの多い方なのかなと推測。
や、これも終盤の伏線だったんだと言われたらそれまでですが。
っていうかルビ使いが二人になってしまった……!(もう一人はD-01の方)
ただ、「外套」や「黄玉」「青玉」なんかを違う読み方で読ませたりもしてるんで、単なる補足のためというよりは「読ませ方」そのものにこだわりがあるんだろうなぁと思った。
童話書きさん……?



D-09  薔薇の館
【感想】
ドラマティックな展開のはずなのに、現実味が無かったです。前半はそれでも良かったような気がした(エリンの正体もわかりませんでしたし)んですけど、後半になってそこが悪いほうに響いちゃった感じ。
謎も残ってるしな……[「エリン」というのが彼女が姿を借りたビスクドールなのだとしたら、何でそこには庭があるのか?エリンより更に上位の存在がいるのか?考えてもよくわからない。
エリンの台詞が印象的ですね。特に薔薇を絡めたものとか、ぞくっとする。
不思議美少女好きなんで、エリン=彼女じゃないほうが好みだったというだけの話なのかも。
明らかに趣味に偏っててごめんなさい;それにしても、「薔薇」って本当に素敵なテーマですよね。

【考察】
一人称的三人称、視点飛びあり。
あ、でも三人称にしては文章がやや砕けてるかも。「けれど(けれども)」じゃなくて「けど」とか。
電話越しの「彼女」の台詞は()内。「!?」では無く「!?」使用。
あと、誤字脱字が幾つもあったのが気になった……;
文章の切り方が詩的。あとはファンタジー書きさんだろうな、ということくらいしか推測出来ない。



D-10  Agony
【感想】
……鬱だ。その一言につきます。
文章が黙々と紡がれていく(機械が読み上げているような印象を受けました)のが気味悪い。
王様が真実を口にさえしなければ、彼は寂しくとも満足(ひとまず仇を討った、という程度の満足に過ぎませんが)だったのかもしれません。
うっかり口を滑らせすぎだよ王様。あれじゃ、あの後もし殺されたとしても文句言えないな;
「空」の使い方としては、弟の見ていた空……にだけかけてる訳じゃないですよね?
彼が「自分のやったことは何だったんだ」と言わんばかりの行動を取るクライマックスの、空っぽになってしまった心が本来の「空」というテーマになってるのかな。意味の無い戦争と意味の無い努力。
読者をここまで突き放すラストも珍しい。落ち込んだ。
前半はだーっと空行無しに長文が連なっていたので、文字が詰まって読みにくかった。(単純に私の目が悪いからです)

【考察】
ですます調の童話調なのはわざと。よって推理の観点からは外します。
文章を詰めてるのも普段はやってらっしゃらないかも。ダークファンタジー好みなんだろうなぁとは思う。
逆にサイトでは明るいものをメインに置いてたり?
「」も使われてないので、探すとしたら消去法しかなさそう。



D-11  ぼくは再び空を描く
【感想】
フェリシテ凄い……!さすが「仏」の字が当てはまらない子、高慢の花!
全体は学園コメディ漫画のような突拍子の無い設定(※褒め言葉のつもり)で固められてるんですが、「ぼく」の苦労人さ加減がちょうどいいせいかさらっと描かれてるような。
こういう純情な男の子は可愛い。
このまま、フェリシテの外見と中身のパワフルさの両方に惚れてしまえ……と、要らぬフォローをしたくなります。
ただ、[あの飛躍が終わったら、空を「描く」というよりかは「描かされる」ような気がしてならないのは何故に。
彼女だけじゃなく、自分も満足のいく絵が描けるといいね。

【考察】
数字は全て漢数字に統一。「一万」=「一〇〇〇〇」で表記、登場人物の年齢も「十七歳」=「一七歳」で表記。
お、これは珍しいかも。
短文紡ぎ、強調には「」使用、一人称コメディを楽しんで書いてる方?
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